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ソフトバンク孫正義社長による「新30年ビジョン」書き起こし

 
     
   
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2011年06月25日の「新30年ビジョン」が書き起こしで読めます!

 

 

http://kokumaijp.blog70.fc2.com/blog-entry-87.html

 

孫さんも「書き起こしに感謝」とtwitterで発言されていました。

masason6:50pm via TwitRocker

書き起こしに感謝。 RT @entrepreneurbot: これから300年、人類はこれから人類史上最大のパラダイムシフトを体験することになる。:孫正義(@masasonbit.ly/agfX0Z

 

 

 

sb30vision

本日6月25日、ソフトバンクの孫正義社長による「ソフトバンク新30年ビジョン発表会」が行われ、USTREAMでも中継され多くの人々が注目しました。
素晴らしい内容だと思いますので、動画を見る時間がない方にもぜひ読んでいただきたく、その全文を書き起こしました。

時間がある方はぜひ動画とあわせてご覧ください。


sb30vision

sb30vision


USTREAM動画のアーカイブ(録画)はこちら
ソフトバンク 新30年ビジョン発表会

新30年ビジョン プレゼンテーション資料 (PDF)

動画+プレゼン資料はこちら
新30年ビジョン


誤字脱字などあると思いますが、ご指摘いただけると感謝いたします。


さらにもっと孫さんを詳しく知りたい方はこちら
孫正義ソフトバンク社長の講演・対談・スピーチ書き起こしまとめ


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この新30年ビジョンをつくるために、1年間かけて、ソフトバンクグループの全社員、2万人が真剣に議論して、全員が自分の意見を出しました。
そして多くのツイッターのユーザーからも、いろんな叡智をいただきました。

それを今回まとめて、私が代表して新30年ビジョンというかたちで話をさせていただきます。



この30年ビジョン。
どんな会社にしたいか。
どういう想いで事業を行っていきたいのか。
それが30年ビジョンの中にはいっております。

3つのパートにわかれています。
1つ目のパートは我々の理念であります。
何のために、どんなことのために、事業を行っているのか。
この理念が1番目です。

2番目がビジョンです。
この30年先、どうのような人々のライフスタイルになるのか。それに対して我々はどういうことができるのか。そのビジョン。

3つめのパートが、戦略。
我々がなしたいことをどのようにして行っていくのか、という戦略です。

その3つのパートに分かれて今日は話をさせていただきます。

今までの僕の人生の中で、先ほどもちょっと申し上げましたが、おそらく今日が一番大切なスピーチになると思うし、また30年に1度の大ぼら、というのは毎回言えるものではありません。

私の現役時代の最後の大ぼら、とご理解いただきたいと思います。
30年に1回の大ぼらだ。
ですからちょっと時間を90分を越えるかもしれませんが、ぜひ我慢をしてきいていただきたいと思います。




それではさっそく第1のパート、理念でございます。

我々の理念、何のために会社を経営するのか。
何を成したいのか。
一言で我々が成したい事をあらわせ、ということであれば、この一行であります。



「情報革命で人々を幸せにしたい」

さきほどのビデオにもありましたように、全社員からこの30年何をどうしていきたいのかというプレゼンをしてもらいましたけども、本当に私がうれしかったのが、全てのプレゼンの中に、想いとして、人々の幸せに貢献したい、このことが中心に据えられている。

もちろん上場会社ですし、一般の企業でございますので利益もあげなきゃいけない、新しい商品も出さないといけない、料金競争もしなきゃいけない、というのは現実ではあります。
しかしその現実のためだけに人生をすごしたのでは、なんのための人生だ、ということだと思います。

私たちはたったひとつ、何をなしたいのか。
情報革命で人々を幸せにしたい。その1点であります。



そこで私はツイッターで多くの皆さんに意見をきいてみました。

幸せってなんだろう?
悲しみってなんだろう?



まず皆さんにとって悲しみってなんでしょうか? ということをツイッターで聞いてみました。



人生で最も悲しいことはなんでしょうか。
一言ツイッターでつぶやいた。
たった1日2日で2500を越える意見が寄せられました。

ツイッターの力というのは人類のさまざまな叡智を集める非常に適したものだと思います。



その声は、実質1日であつまった声は、2500あつまったわけですけども、21%の人々が身近な人の死だ、という答えでした。
自分の家族、自分の愛する人、そういう人の死が自分にとって一番悲しいことだ、という答えです。
14%の人が孤独だと。
11%の人が絶望だと答えました。

もちろんそれぞれの表現の仕方の違いはありますが、こういう答えでした。

何にも感じなくなること、裏切りだとか、そのほかにもいっぱいありました。



その一番多くの人が答えた身近な人の死ですが、これについてちょっと調べてみました。



世界の死亡要因のランキング。2008年度で心臓病が一番多く930万人。2番目がガン。3番目が脳卒中。
これはずっと以前は、100年前200年前はもっと違う原因で人々は死んでいました。

私たちは情報革命の力で、この一番多くの人が言っている「身近な人の死」を、すこしでも長らえることができないか、生命を長らえることができないか。
そういうことを少しでも少なくなればいいなあ、と思います。



2番目は孤独ということであります。



一人暮らしの高齢者の方々が、今現在470万人おりますけども、いまから30年後には倍増の800万人になるんではないかと予想されております。

独居老人ですと、死んでいくときも誰にも知られないままひっそりと死んでしまうということも、これから増えてくるんではないか。

孤独死が東京都内だけで年間5000人。
全国だと5万人もの人々がこういう状況である。

そういうように死というものは大変悲しいもので、少しでも減らせるよう願っている。





絶望というものをどうやったら量ったらいいのか。量ることはむずかしいですが、たとえば絶望して自殺した。

自殺は日本は世界の中でも最も多い国だといわれている。

自殺の一番大きな、約50%の理由は健康問題。
25%は経済問題。
こういうようなことが少しでも減らせばいいと心から願っている。

ということで、悲しみというのは先ほど申し上げたとおり、死だとか孤独だとか絶望だとかいろんなものがあります。

結局、死も別の言い方をすると、孤独だ。



身近な人、愛する人が死んでいなくなって自分が孤独感に責められる。絶望もある意味孤独と表現できるかもしれない。

そういう意味では、人生最大の悲しみは、孤独かもしれません。



私たちはその悲しみを少しでも減らしたい。
その逆、喜びを大きくしたい。



一人でも多くの人に満面の笑みを浮かべてほしい。
我々の願いである。



人生で最も幸せを感じることってなんだろう?
同じようにツイッターで問いかけてみました。
一瞬で多くの答えがあつまった。
分析してみるとこういうことです。



日々の生活で生きていること。生きているだけで幸せだ。

ちょっとした木漏れ日のなかで小鳥のさえずりを聞いた。
病気をしたあとで治った。生きていることを実感するだけで幸せだ。
自己実現、達成感。
愛すること愛されること。
人々によっていろんな表現がありますが、喜びは人それぞれ、千差万別あると感じた次第である。



それらをくくって言うとすれば、見る感動、学ぶ感動、遊ぶ感動、出会う感動、見る感動、(家族、恋人と)愛し合う感動。
私たちは一人でも多くの人に大きな感動を。



情報革命で人々を幸せに。
冒頭から申し上げておりますが、このことが唯一つ、我々が成したい事である。

すぐれた製品をつくる。
料金競争をしてお客さんを1人でもたくさん増やす。
そういうことが最大の目標ではありません。

それらを提供することによって人々が幸せを感じてくれる。
悲しみを減らす。
感動の輪を広げていきたい、幸せの輪を広げていきたい。




そこでこれまでの30年間、ソフトバンクを創業してちょうど今年で30周年になるわけですが、これまでの30年間をちょっと振り返ってみたいと思います。

こちらの映像をみてください。





(ソフトバンク30年間のあゆみのビデオ)





いま見ていただいたのが、我々の30年間のあゆみでございます。

振り返って見ると、いろんな波だらけだったなあ、と。
一歩まちがえると、崖っぷちの向こう側に落ちてしまう、そういう苦難の連続でありました。
なんとかここまで無事に存続できたというだけでも奇跡かもしれない。

でも我々はこれからもまだまだがんばっていかなければなりません。

こちらのグラフを見てください。



ADSL、ブロードバンドを開始して、3000億円もの累積赤字を一瞬で出してしまった。

あのときは株主総会で多くの皆さんから
「理屈はいいから株価をあげろ!」
「主人が残してくれた大切な遺産をソフトバンクに全て投じました。信じているからなんとしてもがんばってください」
涙が出ました。

死ぬ気でがんばらんといかん。歯を食いしばってがんばるぞ! という思いで、どん底からはいあがって、なんとかがんばってまいりました。



昨年度の業績として赤字のどん底からはいあがって、営業利益で日本で3位というところまで来ました。
これもいつまで続くか分からない。
まだ先は激しい戦いが続いている。

ほんの数年前までは赤字であった。
ほんの短期間の一息ついたという状況かもしれない。

ですからそういうときこそ、もう一度原点に帰って、我々は何を成したかったのか、これから次の30年間で何を成したいのかについて、もう一度より明確なビジョン、戦略を確認しあおう。

今回の30年ビジョンの発表会につながったわけです。



いままで我々がかかげていたビジョン。
デジタル情報革命を通じて、人々が知恵と知識を共有することを推進し、我々の企業価値、皆様がお持ちの株式の価値を最大化、それを実現しながら人類と社会に貢献する。

この思いは、創業第一日目から今日まで一切変わっていない。

これから先どうするのか。原点にかえってみんなで議論して、私自身も参加してみました。

まったくかわらない。
一行であらわすと、情報革命で人々を幸せにしたい、ということであります。





じゃあ、どういう形で事を成すということを実現するのか。
これから先の人々のライフスタイル、これから先のテクノロジーの進化はどうなるんだろう。
もう一度先を、遠くをみつめてみよう。



今日みなさんには30年ビジョンを発表する場です、ということを申し上げてお集まりいただきました。

実は30年ビジョンですが、30年では足りない。
どうせこれが最後の大ぼらですから、ついでに300年くらい言っておこう。
ということで300年のビジョンをちょっと言います。



創業者の私にとって、我々ソフトバンクグループのDNAを設計しないといけない、というのが私の最大の役割だと思っております。

人間の命は50年100年でなくなりますが、企業の命は人間と人間が集まりあって集団で存続しますから、僕がいなくなったあとも我々ソフトバンクグループは存続していかないといけない。

私の一番大切な役割は、我々グループの将来進み行く方向性、グループの組織の考え方、哲学、そういうもののDNAを設計するということだと思います。

30年でどこまでやれるのかということだけでなく、仮に30年で成し遂げることができなくても、40年後50年後、10年遅れようと20年遅れようが、その方向性にむかって生きていく、その方向性にむかってたゆまぬ努力をするのが一番大切なんではないか。

5ヵ年計画で1年早く達成した、1年遅く達成した、そういう次元で議論をしようというのではありません。

方向性を定める。
そういう意味では30年というのは単なる一時期でしかない。
今まで30年たちました。次の30年というのは第二ステップ。
300年の中での第二ステップだという位置づけ。



300年とか30年とかいうと、いったい30年後のテクノロジーはどこまで進んでいるんだろう?
人々のライフスタイルはどう変わっているんだろう?
想像すらなかなかわからない。
わかりにくい。

そういうわからないときこそ、なおさら遠くを見るべきだ。
もっと遠くを見ると、景色が鮮明に見えてくる。

近くを見れば見るほど船酔いする。あらがみえてくる。
遠くまで見てみると、実はそんなものは誤差だとわかる。



そして遠い将来を予言する、あるいは予見するためには、過去をみてみるべきだ。
ものごとは過去があって現在があって未来がある。



だから300年先をみるためには、300年前の人々がどうたったのか、あらためて調べてみました。

たくさん調べたけどいくつか代表的なものだけ。



300年前の一般の庶民の平均寿命はたった33年。
貴族のようなお金持ちですら39歳しかなかった。
人々は案外早く死んだんだ。



人々はどういうライフスタイルをおくったか。

300年前くらいからちょうど産業革命、工業革命がはじまった。
蒸気機関がつくられた。製鉄法ができ、紡績だとか蒸気船、鉄道が開通、まさに文明開化。
300年前ぐらいから人間が自らの手で穀物、農作物を作るだけでなく、自らの筋肉の力を延長させる。
圧倒的な動力。
機械が生まれ、動力が生まれ、人々のライフスタイルは圧倒的にかわりました。



その結果、機械はすごいぞということで、逆に今度は、それまで人間がやってきた仕事、穴を掘って鉄を見つけるとか、重たいものを運ぶ、遠くまで移動する、そのためにカゴだとか人力車だとかあったわけですが、人間がやってきた仕事を機械が置き換えて、人間の職を奪う。
機械は人間にとって邪魔なもの、こわいものだ。機械をこわそう!
ラッダイト運動が19世紀初頭におきるという事件がおきる。

日本でも岡蒸気といって機関車が最初通り始めたときに大変な反対運動がおきて。
怪物のような魔物なようなものが来るとわしらの生活はどうなるんだ、と大きな反対運動、反動というものもありました。

今日現在の我々の生活をみると、機械と人間が共存し、機械のすぐれた能力をつかいこなす。
人間が過酷な重労働、まるで奴隷のように扱われていた重労働、危険な作業からどんどん解放される。

人間がもっと人間らしく、寿命がのびている。
文明の利器、機械によって水道が掘られ、水道ができた結果衛生がよくなって、人々が死ぬ原因も減ってきた。
平均寿命が今日延びてきたのも産業革命のたまものではないか。

ざっと300年間の大きなパラダイムシフト。
そして現在にいたっている。



そういう過去をみて、次の300年間でテクノロジーはどう進化するのか。人々のライフスタイフはどうなっていくのか。
考えてみました。



300年前に機械による人類の生き方がかわった。パラダイムシフトがおきた。機械によるビッグバンがあった。

これから300年間で、本当の意味での情報のビッグバンが起きるのではないか。
今はまだほんのその入口である。



過去100年ぐらいを遡ってみます。
情報革命の入口の100年間。

コンピュータが計算をする、どのくらい計算の能力が増えたかを調べてみた。

同じ1000ドル、約10万円で買える機械の能力で、いったい何回の計算できるかを調べてみた。
100年前はアナログ機器の計算機は大変大きな高いもの。
1秒あたりに0.000006回しか計算できない、というシロモノ。

そんなに遅くて高いものにお金を払って何をしたいの?
それでも重要な役割を果たしていた。

そこから数えて100年間で3500兆倍コストパフォーマンス、機械による計算能力が3500兆倍になった。

コンピューターの基礎的な理論を確立した2名。
ノイマン、チューリング。この二人の偉大な理論と発明によって、コンピュータというものがトランジスタ化され、現在のコンピュータに至る。

基本的な原理は二進法。
電流が流れる、流れない。トランジスタがくっつく、はなれる。
それまでは電球のような真空管、光る・光らないの二進法。
二進法でコンピュータは計算している。現在は真空管のかわりにトランジスタが使われる。

実は人間の脳細胞もまったく同じメカニズム。



脳細胞にはシナプスというものがある。
シナプスがくっつく・はなれるの二進法でものを計算したり考えたりしている。
コンピュータとまったく同じ構造。
生理学的、生物学的にはもちろん違いますよ。

行うメカニズムはコンピュータも人間の脳細胞も二進法でできている。

人間の大脳には約300億個のシナプスという脳細胞がある。
300億個の二進法、くっついた・はなれたを脳細胞が行っている。



大脳が物を考えているわけですから、大脳の脳細胞の数300億個を、コンピュータのワンチップの中に入ってるトランジスタの数が、人間の大脳の数をいつか越えるわけです。いつ越えるんだろうと私が20年前に計算してみました。予測してみました。

計算した結果、2018年です。

そして直近になって2年ぐらい前にもう一度検算してみましたら、まったく同じ、2018年でした。

もし仮に2、3年はやいとかおそいとかあっても、僕に言わせてもらえば誤差です。
300年という年月の単位でいえば誤差だ。

ようは人間の脳細胞にある300億個をいつコンピュータのチップの中のトランジスタの数が越えるのか。
50年先ではない。
100年先ではない。
あと8年でやってくる。

あと8年前後で、なんと機能的には人間の脳細胞を越える能力をワンチップのコンピュータが持つに至る。

仮に2、3年ずれていたとしても誤差だと申し上げた。
なぜ誤差だと申し上げるか。300年分推論してみました。



いまから100年後に、いったい何倍になるのか。1垓(ガイ)倍になる。
垓(ガイ)という単位あんまりきいたことないでしょう。

1兆の次ってなんだっけ? 1京(ケイ)か。
なかなか聞かない単位ですから。

この中で1垓という数の単位を知っていた方、手をあげてください。
1人2人3人…。
ほとんどの人が考えもしない。そのくらい大きな数。

1mを1垓倍すると宇宙のハテを越えるという計算。
それくらい大きい。

300年後ではなく100年後にやってくる。

そこから100年後にはどうなるかというと、1垓倍の1垓倍になる。

そこからさらに100年後には、1垓倍の1垓倍の1垓倍。

1垓という単位は1兆の1億倍ですから。1兆という数の1億倍が1垓。
1垓倍の1垓倍の1垓倍、300年たつとそんなおそろしい数になるわけですが、ここまでくると数の単位が人間の辞書にはない。

人間の辞書の単位を越えた、それくらい大きなものになる。

本当になるのか? というと、一概には言えない。

(笑い)


1垓倍になろうが、1万倍であろうが、大事なことは人間の脳細胞の機能を越える、それだけはまちがいない。

ちなみに人間の脳とほかの生物を比べてみました。



チンパンジーと人間の脳細胞、たいしてかわらない。
チンパンジーの脳細胞(シナプス)は80億個。
人間は300億個ある。

ミツバチのような昆虫で100万。
アメーバは1個。

アメーバに脳があるかどうか疑問のあるところですが、全部の細胞が1個しかないわけですから。

アメーバが1個だとして、それが脳ではないんですが、1個まるごと脳だと仮に換算して、人間はたった300億倍です。

アメーバと人間の脳細胞がたった300億倍。



さきほど申し上げた1垓倍はどのくらいかというと、人間とアメーバの差を越えている。

人間は昆虫やアメーバを馬鹿にしますよね。

でも100年後のコンピュータ、ワンチップからみると、彼らから見た人間の脳細胞というのは、我々から見たアメーバ以下である。水虫以下だ。

たのしくない。
やなこと言うヤツだなあと思うかもしれません。

1垓倍の1垓倍。

300年という単位を想像すると、どれほど予想外なことが起きるか。

おそらく300年後も人類はパンを食べている。
300年後も日本人はコメを食べている。

もしかしたら300年後も吉野家の牛丼で食べている。

300年たっても人の食べるものとか基本的な動作はあまりかわらないと思う。
300年後の自動車もたいしたことないと思う。

だけどコンピュータの進化はほかの進化をはるかに超える、予想することすらできない。

これくらいの倍率になると当然科学者たちは、原子の大きさを下回るところまではいかないとか、いろんな科学的な議論をする。

でもムーアの法則のトレンドにしたがっていくと、それくらいの倍率になる。

我々がいま考え付かないようなまったく新しい概念のコンピュータ、進化がなされるかもしれない。




これから300年、人類はこれから人類史上最大のパラダイムシフトを体験することになる。



パラダイムシフトがやってくる、人類のライフスタイルが変わるという300年後の未来において、ソフトバンクが実現したいことってなんだろう。



300年間ソフトバンクグループが存続し、現在の人類が考えられないような、1垓倍にならなくても、仮に1000倍、100倍だとしても、人間の脳をこえるものが初めて地球上に生まれる。そんな大転換がある。そういう中でソフトバンクは何をしたいのか。

ソフトバンクの未来の人々への責任は、未来の人々をしあわせにする。そのために我々は情報革命を行う。

間違った情報革命をしてしまうと、たんにお金のために、人々を支配するためにその恐ろしい武器を使う。
エゴ的な、おそろしい黒い心で新しい人類の武器を手にしてはいけない、と我々は思うわけであります。



最先端テクノロジー。
最も優れたビジネスモデル。
これを使って情報革命を通じて人々の幸せに貢献したい。




何が生まれるのか。
一言でいうと、脳型コンピュータが生まれる。

この中で、脳型コンピュータの意味が分かる方、手をあげてください。原理を知ってるぞ、そんなものは常識だ。そんなものはすぐやってくる。
その基本的メカニズムがわかる方。
ほとんどいません。

300年前の人々は、我々がいま携帯電話を持ち、自動車に乗り、空を飛び、テレビで動く映像を見る。
想像すらできなかった。

今から300年後の人々は脳型コンピュータを当たり前のように使っている。私は想像します。

脳とは何か。



脳とは基本的に、データとアルゴリズム、この2つを自動的に獲得するシステムと認識している。

データってなんだろう。
脳にとっては知識。
アルゴリズムとは脳にとっての知恵。

人間には知恵を持つ。
知識をどんどん毎日学んでいく。

脳が自分で学んでいく。
誰かが脳をプログラミングするのではない。

今までのコンピュータはプログラマがプログラムしてはじめて計算したりする。

人間の脳は自動的に勝手に学んでいく。
勝手に考え始める。
そういう能力を持っている。

メカニズムを持つのが脳である。
学習するコンピュータ。



学習する脳型コンピュータについて私はある科学者と意気投合しました。
もう亡くなられましたが、松本元(まつもとげん)さんという、脳型コンピュータを研究しておられた第一人者。

僕は将来彼はノーベル賞を受賞すべき人間だと思っていた。

脳型コンピュータはデータを自動集積し、知恵に相当するアルゴリズムを誰かがプログラミングするのではなく、自ら学習しながらプログラムしアルゴリズムを獲得していく。

その両方の武器をそなえたものが脳型コンピュータ。



なぜそこまでいくのか。
皆さんさきほど出た例のミツバチ。

ミツバチの脳のハードウェア的な機能、チンパンジーの脳の機能、人間の脳の機能。
ミツバチにもチンパンジーにも人間にも、誰かが知恵をプログラミングしてるわけじゃないですよね。

脳のハードウェアであるシナプスの数が増えてくると、脳は見たもの聞いたもの触ったものをどんどん学習し、活用して知恵を生み出していく。

ハードウェアとしての脳の機能が1垓倍だとか、1垓倍の1垓倍の1垓倍の規模になってくると、勝手に脳型コンピュータは、自ら、かたっぱしから情報を得てくる。そして考え始める。

ある意味では知識に相当するデータの自動集積は、ヤフー、グーグルの検索ですでに行われている。

ヤフーとかグーグルは、あれは人間が最早、情報であるデータをインプットしているのではない。
今日現在すでにコンピュータが自らデータをどんどんロボットクローリングという技術を使って、コンピュータが勝手にどんどん集めていって、サーバーにいれて、クラウドコンピューティングというかたちで人々にデータを提供している。

さきほどいいました2つの機能のうち、データ(知識)の自動集積、かたっぽうは実はすでにコンピュータは自らやりはじめている。
残りかたっぽの武器であります知恵、これについても時間の問題で、脳をはるかに上回る機能のコンピューターが出ると、時間の問題でこれをやりはじめるだろう。

一部のきざしがではじめている。
人工知能。
ロボットの手が異なった色、形の積み木をすばやく積み上げる。異なった大きさ、色のクスリを、一番効率よく仕分けしてビンにつめる。
人工知能ということで勝手にコンピュータがやる。
すでに一部やりはじめている。

最近おもしろい事例がありました。



ホンダの研究所で行われている実験ですけども、人工知能のコンピュータのチップを乗せた車がどういうふうにコースを回れば一番速くゴールにたどりつけるか。
人工知能で考えて自分でコースを勝手に変えていく。

途中で間違えてコースにぶつかった。
コースを壊してまげて走ったら、ゴールに速くついた。
ぶつかって壊れて、というのは事故。
事故なんだけど事故の結果、一番速くゴールにたどりついた。

次からは人工知能を搭載した車は、自らの意思でコースに体当たりして勝手に一番早い道を走ることを学習してしまった。

まさに人工知能が一番最適な知恵を使って目的に達する、自ら考え始めたという事例になる。

我々人類は議論をすることになる。

人間の脳を1垓倍かしらないけど、はるかに越える、チップだけでなく知恵を獲得していく、人間より頭のいいものができてしまう。
今は人間がプログラミングしているわけだから人間のほうが頭がいい。

それを超えるものができてしまう。
はたしてそこまで許すべきか。

科学技術の進化をそこまで許したとき、人間が制御できなくなるのではないか。

もう一つ議論されていることにクローンがあります。



羊の毛を一本抜いて、ビーカーに入れていろいろやると、細胞分裂を始めて、クローン、まったく同じDNAの羊、顔も形もすべて同じDNAのコピーができる、ということが科学技術でできるようになりました。

赤ちゃんとして父親と母親から生まれるんではなくて、毛一本で勝手に試験管で作れてしまう。そういう技術が確立されている。

人間にも実は応用できる。

私も毛がなくなる前に預けておこうかという気になりますが。

(笑い)

はたして人間の複製を作ってしまっていいのか、科学技術者のなかで真剣な議論がおこなわれ、各国の政府が人間のクローンだけは法律で禁止しましょうと一致しました。

科学技術をどこまで許すのか、人間にとって何が有益で何が有害かという議論であります。

そういうことでコンピュータは時間の問題で、間違いなく、知識と知恵というところまで、人工知能でいろいろ便利になるので、止めることができないくらい進化してしまうだろう。



実は脳にはもう1つだけ重要な、最も重要な機能があります。

感情というものです。



人間の脳は大脳がこの3つで成り立っている。

知恵と知識を道具として使って、人間の脳は何をゴールに、何を目的にするか。
自分の脳が一番ここちよく感じる感情をみたすために、知恵と知識を使っている。
一番脳がここちよい、快感を感じる。

おなかがすいた。それを満たす。
ねむたい。それを満たす。
お金をかせぎたい。それを満たす。
立派な家に住みたいという欲望。それを満たす。

感情の欲望を満たすために、知恵と知識という道具を使って、脳は機能している。

感情の欲望の中に、欲望のまま、本能のおもむくままだけで脳を活用していくと、大変危険なことになる。

野蛮な人たちが生まれてしまう。

人間の脳は段階に応じて、満足感には段階がある。



一番低い次元の感情は生理的欲求。
食べたい、ねむたい。
本能的欲望ともいえる。

もう少し知性がつくと、人々は理性を働かせて、あまりにもむき出し本能のままいくと人に迷惑をかけてしまうという社会性がうまれる。知性がうまれる。本能的欲望を制御する。

知性をもう少し高い次元にいくと、自己実現。夢を実現したい。
オリンピックで金メダルを取りたい。
ワールドカップで優勝したい。
すばらしいピアニストになりたい。
そういう自己実現がもう一段高いところにある。

もっとも高いところにあるといわれるのが、愛。

もっとも悲しいことは、身近な人の死。孤独になりたくない。

愛を満たすのが脳細胞が求めるもっとも高い次元の欲望。

これがむき出しの欲望、本能的欲望を制御する。


さきほどのクローンの羊、クローン人間を許すべきかの議論、それとは別の次元で、人間はコンピューターに感情を許していいのか、人類は300年の間にこれまで体験した一番大きな議論に直面する。



コンピュータが自ら感情と意志をもって自ら動き始めたら、ある意味こわいことです。

逆に言うと、人間をはるかに越える知恵だけを持つと、暴走までして最短距離を走ろうというものが出ます。

むしろ私は暴走をとめるためには、本当に高い次元の感情、人々を豊かにさせたい、優しさ、愛情というものを、むしろコンピュータに持たすことが、コンピュータの脳を制御する。

超知性の実現。
ハートを持たせる。心を持たせる。
優しさ、愛情を持たせるほうが脳型コンピューターの正しい進化ではないか。私は思う。



情報革命で脳型コンピュータは人々を幸せにする。

人間が人間を幸せにするように、機械が人間を幸せにしてくれるように、超知性のコンピュータが人間を幸せにするために共存していく。

本当にそうか? 疑念をもたれるでしょう。

300年後にどんな幸せを超知性を使ってやっていくのかという例をいくつかあげてみましょう。



300年前、平均寿命たった33歳でした。
いまは83歳まできている。

いまから100年後200年後、300年後には私は平均寿命は200歳になる、と思います。

そのころにんると高齢者というと300歳の人のことをいう。

100歳、まだひよっこだね。若くていいね。といわれる時代がくる。



どうやれば平均寿命が200歳になるのか。
ちなみに過去300年間、だんだん平均寿命ののびが加速している。

この100年間、10年で3.5歳ずつくらいのびている。

科学技術、DNAによる治療、人工臓器の一般化というものが300年以内にやってくる。

DNA治療の一般化、人工で作られた、人から移植するのではなく、自分自身の細胞からつくる。拒絶反応もない。
それが一般化していく。

人間のパーツを入れ替えて長生きする。心臓をいれかえる。肝臓を入れ替える。あちこちいれかえる。
どこまでが自分だろう。

脳が一番大切。
脳を入れ替えるのがなかなかむずかしい。



脳を入れ替えることはできませんが、脳を補強することができるようになるだろう。

実は人間の脳は、手足と、いろんなところにある神経で通信している。微弱な電流が流れている。

人間の神経、脳が考えて指、手足を動かす。通信している。

人間の体を通信の媒体とみなすと、脳からコンピュータのチップに体を通じて通信するという時代が300年以内に必ず来る。

チップを体にくっつける。チップと脳が通信しはじめる。
チップをどうやってくっつけるんだ?
チップエレキバン。

(笑い)

はりつけなくても時計でもいい。ピアスでもいい。
人間の体にチップが直接触れる。チップと脳が通信する。
そのチップと離れたところにいるチップが無線で通信する。

そのチップと相手の脳が体内通信をする。

そうすると、まるでテレパシー。

それが科学技術で300年できるようになる。


チップとチップが無線で通信する。



300年後のソフトバンクは、携帯電話会社ではなく、テレパシー会社といえるかもしれない。

そのチップとチップが無線で通信しあって、異なった言葉をしゃべっている人間同士が、中国語、フランス語、英語だとか、皆さんがしゃべれない言葉をしゃべってる相手と、コンピュータが自動翻訳し、相手とテレパシーのように自動翻訳してくれる、そういう時代もくる。

犬ともテレパシーできるようになる。
本当か?
30年に1回の大ぼらですから言わせてください。


そのチップが、脳型コンピューターのチップが、動くことができるモーターとくっついたときに。人工筋肉。動力をもった、動くことのできるモーターとくっついたときに、ロボットになる。



知恵をもったロボット、人工知能、脳型コンピュータを搭載したロボットが、300年以内に一般化する。

人工知能をもったロボットは、たとえば地震などの災害、今はあぶないところに救助災害で火事や地震で消防士が命をかけて助けているが、命をかけて助けなくたって、人工知能をもったロボットコンピューターが危険なところ、瓦礫をもぐって、かならずしも人間型ではなく蛇のようなにょろにょろのようなロボットが「おーい、生きてるかー!」
叫んで、相手と通信する。

あるいは大きな動力を持って、たんなるショベルカーではなく、しゃべるかー(喋るカー)という機能を持つ。

家事だとか医療。そういうものも知能をもった、優しさをもった、たんに機械的に手術する、「痛い痛い!」「我慢しろ!」ではなくて、優しさをもった人工知能のお医者さんのほうがいいですよね。
どうせ診てもらうならそっちのほうがいい。

そういう形で人間に優しい、すぐれた知能を持って、強い筋肉も持っている。

考えてみるとさまざまなロボットが生まれるだろう。



いろんな形のいろんな知恵をもった機能特化型、あるいは万能型、ロボットがぞくぞくと生まれる。

300年後の社会。
今見ている景色とはまったくちがうライフスタイルをすごしているかもしれません。

そのときにロボットを作る会社は必ずしも自動車メーカー、家電メーカーなど、筋肉をつくるのが一番得意な会社が強いとは限らない。

筋肉に何を指示するか、なにを考えるか、知恵のところが一番難しい。
我々ソフトバンクは一環して情報革命するわけですが、脳型コンピューターに、やさしさをもったハートを持った愛情をもった、そういうものをロボットに提供していきたい。



新しい知恵が続々と人工知能、脳型コンピューターが生み出していくようになると、新しい発明、新規技術も、脳型コンピューターが自ら発明しはじめる。



ほとんどの発明がこのような形で、コンピューターが主役になって、ロボットが主役になって、知的な、優しさをもったコンピュータとの共存。
必ずしも恐ろしい、こわい、破壊的な社会ではない。

300年前の人々は機械が怖い、おろそしいものだと誤解を多くの人から持たれて、ハンマーで叩き壊した。

同じように知性をもった、優しさを持ったロボットは危害を与えるものではなく、むしろ人間より優しくなるかもしれない。

彼らとの共存する社会がうまれるかもしれない。
我々はそれを実現したい。

我々はサイエンスフィクション(SF)を作る映画監督ではありません。
小説家でもありません。
我々はそれを実現させたい。

優しさをもって愛情をもって、情報革命のために行いたい。
「何のために」ということが一番大事です。

人々を幸せにするために、こういう脳型コンピューターをひろめていきたい。情報革命をひろめていきたい。

一家に一台といわず、10台100台、脳型コンピュータを搭載したロボット、家電製品がどんどんでるのではないか。



人類がいままで体験したことがないような、解決できなかったような、人知をこえた、叡智をこえた難題にも、彼らと一緒に解決していく時代がくるかもしれない。

人間が解決できない未知のウイルスとの戦い。テロ、隕石、大地震、人知を超えた難題も彼らと一緒に解決していく時代が来る。



すぐれた文明の利器をもった時代がきても、人々はやっぱり、なんでもコンピュータまかせというわけにはいかない。

人間は愛を求め、愛に傷つき、誤解をし喧嘩をする。
献身的にささげたり、300年後も愛ってなんだろうとつぶやいているだろう。

愛ってむずかしい。
300年後の人々も。



我々がやりたいのはたった1つ。
繰り返します。
情報革命で人々に幸せを提供したい。

たったこの1つ。
たったこの1つを我々は成したい。



という話を300年後の大風呂敷を広げましたので、30年後の世界はは急に現実的に見えてくるんじゃないでしょうか。



(Part2に続く)
ソフトバンク孫正義社長による「新30年ビジョン」書き起こし Part2

USTREAM動画のアーカイブ(録画)はこちら
ソフトバンク 新30年ビジョン発表会





誤字脱字などあると思いますが、ご指摘いただけますとありがたいです。


さらにもっと孫さんを詳しく知りたい方はこちら
孫正義ソフトバンク社長の講演・対談・スピーチ書き起こしまとめ


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30年後の話をこれから話します。

そんなもの全部知ってる、退屈な話だ、そんなこと当たり前だ。
皆さん思うかもしれない。思わないかもしれない。

ここから30年後の非常に退屈な話を、ごくごく当たり前のささいなことを聞いていただきたい。



30年後、コンピュータのチップの数は、人間の脳の10万倍になる。

ワンチップの能力。先ほど申しました100年後には1垓(ガイ)倍。
30年後には人間の脳細胞を2018年には追いつくかもしれない。

そこから追いついて追い越してどのくらいまで越えるかというと、30年後に10万倍になる。
やだなあ、俺の10万倍か。
ワンチップでですよ。

しかもそのチップは通信しあうわけです。ものすごい速度で。
今日現在の100万倍のメモリ容量で、300万倍の通信速度で通信できるようになる。

(CPUトランジスタ数)100万倍。
(メモリ容量)100万倍。
(通信速度)300万倍。

もしかしたら10万倍かもしれない。
もしかしたら人間の脳のたった1万倍かもしれない。

でも1万倍でも皆さんすごいとおもいませんか。



そうなるとどうなるんだ?
(今年)iPhone4が出ました。30年後に、iPhone34がでます。

3万円くらいのiPhoneに何曲曲がはいるか?
5000億曲はいる。
そんなにいらんぞ。

何年分の新聞の情報が入るか? 手元に。
3億5000年分の新聞が入る。

動画にしても3万年分はいるぞ。
そんなに見きらん。生きている間に。

あり余るほどの情報が、3万円くらいの、月々980円の定額で得られる。そういう時代がくるかもしれない。
もしこれが仮に10分の1だとしても、あるいは100分の1だとしても、言いたいことは同じ。



このスピードだと1秒間に音楽でいえば何曲ダウンロードできるか。1秒間で300万曲。
手元に何億曲あっても、それでも足りない、新曲が出たぞー、となったら1秒間に300万曲もリフレッシュできる。

新聞だと1秒間2000年分、あらたに入れられる。
1秒間で世界中で発行されている新聞・雑誌・書籍が全部入れられる。

それくらいの時代がくる。30年で。

ソフトバンクはじめて30年たった。
あっという間でした。
あっという間にまた30年が来る。

この30年で人々のライフスタイルはおそろしく変わる。



実質的に無限大の情報を入れられる、人工の知識、人工の知恵をいれられる、格納できる容量のストレージができる。
無限大のクラウドができる。
超高速のネットワークがつながる。

そうすると、その時代に紙の新聞なんてほぼ100%ありえない。
紙の雑誌、書籍、ほぼ100%ありえない。
CDで音楽をトラックで運ぶなんて、ほぼ100%、1000%ありえないということです。

情報って、いままで僕はデジタル情報革命と言ってました。
アナログの情報なんてやる人は誰もいない。
情報というのはもうデジタルが当たり前。
だから今日私が繰り返し申し上げているところに、デジタル情報革命とあえて言わなくなりました。

これから30年後、300年後の人々にとって、デジタルなんてわざわざつけなくても情報革命は情報革命なんです。



あらゆる電化製品、電化製品だけでなくスニーカーにも、メガネにも、脳型コンピューター、30年後にはまだ脳型にはなってないかもしれませんけども、処理速度の速い、記憶容量、スピード、通信速度をもったチップが、あらゆる電化製品にはいる。
あるいはメガネにも靴にもはいる。
靴に入ると健康管理してくれる。
「あと53歩あるきなさい」と言ってくれる靴がうまれる

ありとあらゆるものがしかもクラウド、クラウドというのはインターネットの上にある大型コンピューター。



メガネも自動翻訳の字幕が出るようになる。
外人の女の子が泣き喚いて叫んでいる。なんて言ってるんだろう?
二ヶ国語同時に耳で聞くよりは、目で字幕、洋画を見るときに字幕がでますね。ああいう感じでメガネに字幕が出る。

相手がしゃべっている言葉を翻訳してくれて字幕が出る。そういうふうになるかもしれない。

ちなみにこれは特許を出してます。
字幕式翻訳メガネ。



教育はもちろん、徹底的に変わります。



医療も徹底的に変わるでしょう。

紙のカルテに書いていくなんてのはありえない。
紙ほど非合理的なものはない。非効率的なものはない。
不親切なものはない。
コストが高いものはない。



仕事のしかたも徹底的に変わっていく。



見る感動も、今日現在の見る感動と、30年後まったく違ったものになっていく。



学ぶ感動。
さきほど申し上げたとおり教育は徹底的にかわる。



出会う感動。
バーチャルリアリティから、いずれARに進化する。



遊ぶ感動。
これもどんどん変わる。



そのときにはクラウドが人類最大の資産になるだろう。
クラウドに徹底的に人類のあらゆる知恵と知識、そして人工知能の知識・知恵、それがどんどん蓄積されていく。



そういう中でソフトバンクは何か1つのものを出すのではない。
特定のチップのメーカーであるとか、1つの特定のサービス、ビジネスモデルの会社ではない。

我々は人類が持っている最もすぐれたテクノロジー、最もすぐれたビジネスモデルが世界中に生まれてくる、彼らと一緒になって、彼らを同志としてやっていきたい。

ちょっとイメージをあらわしたビデオをつくってみました。
見てください



(イメージビデオ“Information Revolution”)


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人間には
悲しみを和らげる知恵がある
太古の時代から人は
さまざまな方法を試してきた
宗教や
哲学や芸術の力で
けれどいま
わたしたちは叶えつつある
悲しみの新しい和らげ方を
そして喜びの膨らませ方を
それが
情報革命だ
information revolution
ひとりの想いは、みんなの想いとなり
みんなの声が、ひとりのために届く
遠く離れた気持ちと気持ちを
人とモノを
つぎつぎに結びつけてゆくのだ
あなたに暗い夜が訪れても
地球の反対側にいる誰かが
朝の光を届けてくれる
北で生まれたひらめきは
南で生まれた絶望を救い
東で生まれた技術は
西で生まれたあきらめを希望へと変える
人とモノと想いは
いつでもどこでも引き合ってゆくだろう
「運命の出会い」がいくつも生まれ
ひとりひとりが
ひとりじゃないのだと知る
情報テクノロジーは、出会いを生み出し
人間を自由にする力だ
国境も、年齢も、人種も、言語も、
時間も、空間も超えて
私たちは信じている
この力が不治の病をなくし
教育から退屈をなくし
この世界から戦争をなくすだろうと
どこまでも進化するテクノロジーと
いつまでも変化しない愛
そのふたつが
いまここにそろっているのだから
情報革命で人々を幸せに



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「情報革命で人々を幸せに」
このたった1行であります。

さきほどから繰り返し申し上げております。
そのような世界をつくっていきたい。

どうやってソフトバンクグループがそれを実現していくのか。

ここから戦略にはいっていきたいと思います。





戦略であります。

さきほどから申し上げておりますように、私はサイエンスフィクション(SF)の映画監督になりたいわけではありません。
小説家になりたいわけではありません。
評論家になりたいわけでもありません。

私は事業家です。
事を成したい。

事を成したい。
何の事をなしたいのか。
情報革命で人々を幸せにしたい。
その事を成したい。



世界の人々から最も愛される、最も必要とされる、なくてはならない、人々を幸せにするそんな会社になりたい。

ちょっと過去を見てみます。



100年前、全世界で、1位から10位まで、最も時価総額の大きかった会社を調べてみました。
鉄道会社が4社、そして鉄(USスチール)、石油・石炭、銀行が2つ。こういうような状況であります。
これは約100年前。順位は若干上下はあったとしても、言いたいことは、鉄道だとか鉄だとか、オイルとかそういうものです。

30年前。
IBM、エクソンだとか、AT&T。
日本の銀行が2つもある。懐かしい。今はどこにいったんだろう。

現在は、中国の会社が続々とはいってますし、アップル、マイクロソフトも入っております。

それぞれの会社はなぜトップ10にいるのか。
それはその時代に、その時代の人々が、最も必要としていた会社。最も必要としていた資源を提供していた会社。そういうことではないかと思います。

そういう意味で我々は、30年後に少なくとも世界の人々が最も必要とするテクノロジーだとかサービスだとか、そういうものを提供する会社にソフトバンクグループはなりたい。

今日は株主の皆様がほとんどですから、株主の皆様にとってはちょっとだけ関心がある、30年後のソフトバンクの株価っていくらだ?

今日現在、2兆5000億から2兆7000億の間です。

30年後に世界の人々が最も必要とするトップ10の会社になろうとすると、30年後のトップ10の会社の時価総額ってどのくらいだろう?
10番目くらいの会社。
いろいろ推定値を出している。

そうするとだいたい200兆円ぐらいになってなきゃいけないんじゃないか。



つまりソフトバンクが30年後に人々のトップ10の必要とされる会社になるには、少なくとも200兆円くらいにはなってないといけない。

いま2.5兆円とか2.7兆円ですから、70倍とか80倍になる。
1株の価値がですね。

売るのやめとこう。

(笑い)

孫の代まで。
もし本当にこれが実現できるなら、あわてて売らないほうがいいかもしれません。

私はやるつもりです。
だいたい今までやると言ったことはたいがいやってきております。

今日は大ぼらですから、あんまり日記に書かない。

(笑い)

証拠を残さないで。


でもやると心に決めたことは、短期のことはちょっとずれたりしますが、長期の願いごとでやると決めてやれなかったことはほとんどなかった。自分で自負しております。

いろんな山あり谷あり
ですからこれは大ぼらですけども、本気の大ぼらです。

いい加減な大ぼらではない。
本気でやるつもりの大ぼらです。


どうやってそのトップ10を実現させるか。





事業領域。

我々の領域は何をやるのかということですが、先ほどから繰り返し申し上げておりますように、情報革命ただ一本。
創業1日目から変わってません。

ソフトバンクは何をやるのか。情報革命。その一本です。
30年後も300年後もその一本です。
この一本です。

情報革命であります。



特定のチップを作るとか、ソフトだとか、特定のテクノロジー、特定のビジネスモデルは、300年間変わらずもつというのはなかなかないと思います。

30年もつものはあります。
300年たつとみんな代替わりしています。
あまり特定の1つにこだわりすぎると、成長しない。

ソフトバンクの一番のお家芸は、こだわらない。ということであります。

特定の技術だとか、特定のビジネスモデルにこだわらない。

ただ1つこだわるのは、情報革命。
そして、人々を幸せにする、そのことだけです。



過去の30年間も続々とテクノロジー、道具は変わりました。
ソフトバンクはこだわらない。



世界で最も優れた企業と、ともにライフスタイルを革新する。

パートナーシップ戦略。
すぐれた叡智の、すぐれたエネルギーの同志たちと、一緒にパートナーでやっていく。



そして300年間成長していける、300年間滅びないで成長していく。




地球の歴史を調べました。
46億年。
46億年の間に、約1000億の種(しゅ)が生まれたと言われている。
そのうちの生き残っているのが1億種。




5大危機がありました。
そのうちの3つは隕石。96%とか、82%の種が絶滅した。



ソフトバンクにも5大危機があった。
生き延びてきた。5大転機であります。



さきほどの種ですね、種はどんどん絶滅していくわけですが、生き残っているのは0.1%。46億年の中で。
99.9%が絶滅した。



会社はどうかというと、30年間で生き残っている会社は、実は0.02%。調べました。
99.98%が途中で行き倒れた。
ラーメン屋さん、印刷屋さん、いろいろありますけど、親父さんがつくった会社。

99.98%が30年間で存続できなかった。
これは実績です。

30年間ソフトバンクが5回の転機を超えて生き残ったというだけで、もうすでに奇跡なのかもしれません。



我々は30年だけでなく300年間生き残って、なおかつ繁栄し続ける組織を作りたい。

孫正義は何を発明したか。たった1つあげるならば。
チップではなく、ソフトではなく、ハードでもなくて、300年間成長し続けるかもしれない組織構造を発明した。



会社を、グループを、息絶えない、進化し続ける、そういうグループ構造を発明した。
会社体としては初めて。
戦略的シナジーグループである。



20世紀の会社、組織というのは、大量生産。大量販売。安さ、技術を競争する。



ブランドはシングルブランドで、大きければ大きいほうがいい。



会社組織はピラミッド型。中央集権。



私はそれをWeb型組織、分権、超高速スピード意志決定。
管理型・支配型ではなくて、自立・分散協調型にしたい。

出資比率だって、51%持って初めて自分の会社だ、という思いを持たない。
100%子会社なら自分の会社。そうでなかったら自分の会社ではない、という意識を持たない。



20%から40%ぐらいの資本提携をした、同志的結合の集団を作りたい。
パートナー戦略。



同志的結合というのは、資本的結合として20%から40%の持ち株比率。アリババにしろタオバオにしろ、レンレンのOPIにしろグループ会社ありますけども、20%から40%でいい。
支配しなくてもいいじゃないか。
支配しようとするから中央集権になる。中央集権だから、それがボトルネックになって大企業病になる。



私がイメージしている組織体の図はこういうことです。



戦略的シナジーグループがどんどん分散・分権型で、自立している。
分散型で、そして協調しあう。

だからこそ自己進化する。自己増殖する。

誰か中央集権を持ってコントロールするのではない。

ソフトバンクというのはただの投資会社だ。よくこれを理解していただけないほとんどの人にそういう非難を受けます。

私はいずれあなたがたも理解する時が来るでしょう。300年以内には。
そういうふうに腹の中で思っております。



30年以内に5000社くらいにしたい。
自立・分散協調型の戦略的シナジーグループを。

今日現在約800社です。
本当に数えたのか?
嘘でも800です。

(笑い)

ちゃんと数えた。ちゃんと数えて800です。
これを5000社にしたい。






私は19歳のときに人生50ヵ年計画というものを作りました。
20代で名乗りを上げる。自分の業界に名乗りを上げる。会社を興す。
30代で軍資金を貯める。1000億2000億という規模の軍資金を貯める。
40代でひと勝負かける。1兆2兆と数える規模の勝負をする。
50代である程度完成させる。モデルを完成させる。
60代で継承する。

この5つのステージの50ヵ年計画を19歳のときに作りました。


いま52歳。
60代になったら次の経営陣にバトンを渡さなければならない。ある意味ソフトバンクの最大の危機はそこにあるのかもしれません。

突然その日を迎えるのではなくて、準備をしたい。



来月、開校いたします。
ソフトバンクアカデミア。



アカデミアの語源はプラトンが紀元前約400年ぐらいに作った学校であります。
何の目的で作ったかというと、その当時の統治者、王様ですね。あるいは将軍。
そういう統治者、次世代の統治者を育成するために作られた学校でありまして、哲学を中心にプラトンが教えました。

真の統治者になるためには、数学を覚えるとか、科学を覚える以上に大切なのは、哲学だ。



ソフトバンクの次の時代を担う統治者、経営陣を育てたい。
それがソフトバンクアカデミア。



一言でいえば孫正義の後継者を育成します。

事業部長とか部長を育成するための一般的な会社でいう社員教育の場ではありません。
社員教育プログラムはほかにもいっぱいあります。ソフトバンクに。

初めて後継者育成のための学校を作ります。
目的はただ1つ。
「孫正義2.0」を作る。

もちろん一人で達成できないかもしれないし、リスクがあってもいけないので、300人の生徒を入れる。将来の可能性のある人物。
そのうちの30人くらいは外からも招きたい。
将来の「孫正義2.0」。

さっきなんかね、来てた人。
(会場にいる人に向かって)名前なんでしたっけ? ノムラさん? 候補になれるかもしれない。

(笑い)

30名は外からの後継者候補を入れる。
270名はソフトバンクグループからの後継者候補。
私自身が毎週行います。
毎週水曜日の夕方5時から、夜まで。
私自身が初代校長先生としてソフトバンクアカデミアを責任を持って運営します。

後継者を1ヶ月2ヶ月で育てるのではなくて、10数年かけて、直接私がきつく指導して、競争させて、後継者育成プログラムを作ります。



たとえば。例をあげます。
ソフトバンクバリューとして、後継者にはこんなことを学んでもらいます。



ということで21世紀の統治者育成のためのアカデミー、プラトンアカデミーに相当するものを作りたい。



これが、ソフトバンクの新30年ビジョン。



もう一度繰り返します。
最先端のテクノロジーでありさえすれば、同志的結合で外からどんどん仲間を増やして、最も優れたビジネスモデルがあれば、ソフトバンクの社員がゼロから作らなくても、同じ志を共有する仲間であれば、アリババとかタオバオがいい例ですが、ヤフージャパンもそうです。同志的結合をどんどん増やしていく。



ただ一つのために。繰り返します。
情報革命で人々を幸せに。



アインシュタインも言っております。

人は他人のために存在する。
何よりもまず、
その人の笑顔や喜びが
そのまま自分の幸せである
ひとたちのために。
そして、共感という絆で結ばれている
無数にいる見知らぬ人たちのために。


無数にいる見知らぬ人たちのために、人は存在している。




マザーテレサも言っております。

この世で一番大きな苦しみは、
独りぼっちで、
誰からも必要とされず、
愛されていない人々の
苦しみです。


それがもっとも苦しみである。
孤独で誰からも必要とされない。





最後に、見慣れないおばちゃんの写真。

私にとっては大切な大切な人物であります。
14歳で日本に渡ってきた。14歳で結婚しました。相手は37歳。私のおじいさん。
彼女は私のおばあちゃんであります。

途中で戦争も体験しました。
生きていくのがやっと。
泥水をすすって、飢えから子どもたちを守って、せいいっぱいという状況。

日本にいて、韓国の国籍で、言葉もカタコトで、知り合いも頼る人もいなくて、14歳で渡ってきた。つらいですよね。わからない何も。
14歳ってまだ娘ですよ。中学生です。
一人で見知らぬ国にやってきた。
つらかったと思います。



私の父、私の母、父はもう中学のときに家族を経済的に支えて、一生懸命仕事をしました。

大変苦しい苦しい生活の中で這い上がってきて、ヤミの焼酎をつくった。豚を育てた。なんとか生きてきた。

そんな中で私が生まれた。1957年。
私が生まれた頃にはすでに少しは生きていける、トタン屋根のボロボロの部落の家に住んでましたけどね。

私の戸籍は佐賀県鳥栖市五軒道路無番地と書いてある。
無番地ならわざわざ無番地って書かなきゃいいのに。
不法住居ですから。自分たちの土地ではなくて、国鉄の線路脇の空き地にトタン屋根で板を貼って住んでるわけですから、正式に戸籍を認めるわけにはいかない。
ということだったんだと思います。
無番地で生まれました。

私が今でも覚えていますが、3、4歳の頃、おばあちゃん可愛がってくれました。毎日散歩につれていってくれた。
父と母は一生懸命に、本当に一生懸命に仕事しておりましたので、いつも留守ですね。
私を子守してくれたのはおばあちゃん。毎日おばあちゃんが「正義や、散歩いくぞー!」
僕は喜んでおばあちゃんについていく。

おばあちゃんが散歩行くぞーというときはリヤカーですね。
リヤカーに乗って、しがみついていく。
あんまり言いたくないですが、今でも覚えている。
リヤカーが黒っぽいんですね。すべるんです、ぬるぬるして。
そのリヤカーはドラム缶を半分に切って3つ4つ積んであって、そこに飼っている豚のえさを、残飯をですね、鳥栖の駅前の近所の食堂から残飯をもらって、それを集めて豚のえさにして育ててる。

私は小さいからわからない。ただリヤカーに乗って楽しく行ける。ただなんとなくぬるぬるして、なんか腐ったような臭いがして、雨上がりのでこぼこ道で、水溜りですべったら落ちて死ぬなあ、と思いながら、「しっかりつかまっとけよー」ついていってるわけです。

おばあちゃん大好きでした。
その日は忘れられない。

大人になって今見るとリヤカーなんて乗りたくない。恥ずかしい。でもその頃は子どもだから別につらいということはなくて、楽しかった。

そのあと少し物心ついてくると、あれほど好きだったおばあちゃんが、大嫌いになった。
なぜ嫌いかといったら、おばあちゃんイコールキムチ、キムチイコール韓国。
そうするとそれにまつわるさまざまな、生きていくのにつらいことがあるんですよね。
あまり例をあげたくないけど。やっぱりつらいこといっぱいある。

そうするとやっぱり息を潜めるように、隠れるようにして日本名で生きているわけですね。
ですからなおさらそれがコンプレックスになってる。

あれほど好きだったおばあちゃんが、大嫌いになった。
避けて通る。そういうふうになった。

そんなときに、私の父が吐血をして入院した。
家族の危機ですね。
1歳年上の兄は高校中退して、泣き暮らしている母を支えて、家計の収入を支えて、父の入院費、家計のサポートをする母も一生懸命仕事する。

僕にとってはもう突然降って湧いたような家族の危機ですね。
なんとしても這い上がらないといけない。どうやって這い上がるか。

私は事業家になろうと、そのときに腹をくくったんですね。

一時的な解決策ではなくて、家族を支えられる事業を興すぞ。
中学生のときに腹をくくりました。

そのとき、「竜馬がゆく」を読んだんですね。
目からウロコでした。
いじいじぐずぐず言ってた自分が情けない。
人種だとかなんだとか、そういうつまんないことで悩んでたということ自体が、ちっぽけな人間だったなと気づいた。

そこで事業家を志して、アメリカに行こう、アメリカに渡ろう。
言ってみれば脱藩のようなものだ。

母は泣きました。友だちも先生も、全員とめました。
ばあちゃんが心配するぞ、行くな。泣いて泣いて泣いて泣いて暮らしました。
母は毎日泣いてました。
「行くな、そんなわけのわからない怖いところに行くな。行ったら帰ってこれんようになる」
僕は振り切って、俺はアメリカに行って、事業家になる何かタマを見つけてくる。そこで何かつかんで、日本に帰ってきて事業を興す。
絶対に家族を支えてみせる。

親戚のおじさんとかおばちゃんには言われました。イトコにも言われました。
「正義、お前はなんて冷たいヤツだ! 父親が血を吐いて、生きるか死ぬかのところでさ迷ってるときに、お前の父を置いて、一人でアメリカに行くんか。お前のエゴのために行くんか」
言われました。

私は言い返しました。

「そんなんじゃない、家族を支えたいから行くんだ。
もうひとつついでに言っとくなら、今まで自分が悩んできた国籍だとか、人種だとか、同じように悩んでいる人たちがいっぱいおる。
俺は立派な事業家になってみせて、孫正義の名前で、みんな人間は一緒だ。証明してみせる!」

心に誓ったんです。



その決意をしてから、ばあちゃんに言いました。
ばあちゃんごめんね、あんなに優しくしてくれて愛してくれたばあちゃんを、俺は大嫌いだと言ってしまった。

ばあちゃん、俺を韓国に連れて行ってくれ。
アメリカに行く前に、自分が忌み嫌ってきた先祖の国を見てみたい。韓国につれていってくれ。

ばあちゃんと一緒に二人で二週間ぐらい韓国をまわりました。
ばあちゃん喜んでくれた。
「正義、一緒に韓国いってくれるか。やっと韓国に行ってみようという気になったと。」

二人だけで韓国に渡りました。
小さな村で電気もきてない。やせ細った土地だから人間もちっちゃい。ローソクの中で迎える食卓。
でもみんな、暗いローソクの中で、真っ黒い歯がニッコリ笑ってましたよ。
一生懸命迎えてくれた。
ばあちゃんは僕らの古着のツギハギのズボンだとかセーターを、親戚のイトコのみんなかき集めて大きな風呂敷に詰めて、繕いだらけの服を持っていって、その村の子どもたちにお土産として渡した。

もらう子どもたちは満面の笑みで「ありがとう。日本の洋服はきれいだ」
ばあちゃんからもらうものを受け取って、ばあちゃんのそのときの笑顔が忘れられない。

人様のおかげだ。どんなに苦しいことがあっても、どんなに辛いことがあっても、誰かが助けてくれた。人様のおかげだ。
だから絶対人を恨んだらいかんばい。人様のおかげやけん。




私は会社をはじめて2年で大病をわずらって入院しました。
もう死ぬと思いました。

お金じゃない。地位でも名誉でもない。
ばあちゃんがやったような喜んでもらえる、ボロキレでもよろこんでもらえる。
そういうことに貢献できたら幸せだ。

入院したときになおさら思いました。つくづく思いました。



会ったこともない、見たこともない、名前も知らない、カンボジアかどっかの小さな女の子が、泥んこの顔で、りんご1個もらって「ありがとう」。
何か我々ができることをして、誰に感謝してもいいかわからない状況で、心の中で「ありがとう」と。

そういう貢献できれば幸せだ。



名前も知らない、たった一人の子どもに喜んでもらいたい。

がんばります。よろしくお願いします。



(イメージビデオ“We”)














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スチームケースに初挑戦!FracFracでもやはりルクエが欲しい!

 
     
   
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ルクエが気になっていたけど、シリコンケースに5000円もというので、FrancFrancで2000円で、しかも黒色があったので、これなら後悔しても悔やまないと思い購入。

さっそく、ルクエのレシピを調べて調理開始!

http://www.lekue.jp/recipeblog

さっそく、電子レンジのイノベーションがおきた!

いままで、レンジでチン系は大好きで、パスタや温野菜などもチャレンジしていたが、それまでのものと全く味が違う!

シリコンケースの中で、蒸気は何をおこなっているのか?

サラダのパックも一瞬(3分)にして温野菜に、さらにそのまま容器となる。黒だと料理の見栄えも損なわない。

 

ご飯もお米を研いでから10分で炊ける!

5分500Wで、全体をかき混ぜてからさらに4分で、あったかごはんが完成!合計9分!

ただし、ご飯はふきこぼれもあるので、お皿の上にスチームケースをおいたほうが電子レンジ内が汚れません!

これなら少量でも大丈夫!

さっそく、レトルトカレーを途中で投入したら、カレーライスが完成!洗い物も皿がいらない!

いつも、多めに炊いて、冷凍して解凍していたが、これならば、必要な量だけ炊けばいい。

10分でご飯が炊けるのは、土鍋で炊くよりも早い。

これは、炊飯器が売れなくなりそう!

ここまで良い製品とならば、このイノベーションを起こしたLekueの製品が気になってくる。

http://www.reviewnavi.com/2010/01/lekue-steam-case-62036.html

値段よりも、このイノベーションをリスペクトしたいつもりで、サイズの違うルクエのペティート(独り用)のアナタスシア(黒)を購入!

 

サイズが独り用のペティート